Ctrl+C と killコマンド の違い
kill : 指定されたプロセスにのみシグナルを送信（プロセスの親子は関係ない）
Ctrl+C : フォアグラウンドのジョブの全プロセスに対してSIGINTを送信
[実験]
以下のようなスクリプトを実行させ、killした場合とCtrl+Cした場合とで挙動の違いを見る。
[user1@vm03 shtest]$ cat hoge.sh #!/bin/sh sleep 180
killコマンドの場合
hoge.sh を実行
[user1@vm03 shtest]$ ./hoge.sh
別端末からプロセスを確認
→hoge.sh のプロセスとsleep のプロセスが両方ある。PGIDは同じ。
[user1@vm03 ~]$ ps jx
PPID PID PGID SID TTY TPGID STAT UID TIME COMMAND
4410 4411 4411 1966 pts/0 4583 S 501 0:00 -bash
4437 4438 4438 2029 pts/1 4585 S 501 0:00 -bash
4411 4583 4583 1966 pts/0 4583 S+ 501 0:00 /bin/sh ./hoge.sh
4583 4584 4583 1966 pts/0 4583 S+ 501 0:00 sleep 180
4438 4585 4585 2029 pts/1 4585 R+ 501 0:00 ps jx
hoge.sh のプロセスをkillで殺す。
[user1@vm03 ~]$ kill 4583
もう一度プロセスを確認
→ sleep プロセスが残った。sleep プロセスの親プロセスのPID は1。つまり init プロセス。
[user1@vm03 ~]$ ps jx
PPID PID PGID SID TTY TPGID STAT UID TIME COMMAND
4410 4411 4411 1966 pts/0 4411 S+ 501 0:00 -bash
4437 4438 4438 2029 pts/1 4587 S 501 0:00 -bash
1 4584 4583 1966 pts/0 4411 S 501 0:00 sleep 180
4438 4587 4587 2029 pts/1 4587 R+ 501 0:00 ps jx
なお、killコマンドはシグナル番号が指定されなかった場合、デフォルトでSIGTERM (シグナル番号:15)を送る。
Ctrl+C の場合
hoge.sh を実行
[user1@vm03 shtest]$ ./hoge.sh
別端末からプロセスを確認
→hoge.sh のプロセスとsleep のプロセスが両方ある。PGIDは同じ。
[user1@vm03 ~]$ ps jx
PPID PID PGID SID TTY TPGID STAT UID TIME COMMAND
4410 4411 4411 1966 pts/0 4591 S 501 0:00 -bash
4437 4438 4438 2029 pts/1 4593 S 501 0:00 -bash
4411 4591 4591 1966 pts/0 4591 S+ 501 0:00 /bin/sh ./hoge.sh
4591 4592 4591 1966 pts/0 4591 S+ 501 0:00 sleep 180
4438 4593 4593 2029 pts/1 4593 R+ 501 0:00 ps jx
元の端末でCtrl+C でhoge.sh を中断する。
[user1@vm03 shtest]$ ./hoge.sh
^C
もう一度hoge.sh のプロセスを確認
→ hoge.sh も sleep プロセスもなくなっている。hoge.sh と同じPGID (PGID:4591) のプロセスに対してすべてSIGINT (シグナル番号:2)が送られたため。
[user1@vm03 ~]$ ps jx
PPID PID PGID SID TTY TPGID STAT UID TIME COMMAND
4410 4411 4411 1966 pts/0 4411 S+ 501 0:00 -bash
4437 4438 4438 2029 pts/1 4595 S 501 0:00 -bash
4438 4595 4595 2029 pts/1 4595 R+ 501 0:00 ps jx
PGIDが同じプロセス群は「プロセスグループ」という。これは時には「ジョブ」とも呼ばれる。
どうして送られたシグナルがSIGINTであるとわかるか
→ intr = ^C; が、Ctrl+C でSIGINTを送信するということを意味する。
[user1@vm03 shtest]$ stty -a
speed 38400 baud; rows 35; columns 90; line = 0;
intr = ^C; quit = ^\; erase = ^?; kill = ^U; eof = ^D; eol =; eol2 = ;
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[まとめ]
kill : 指定されたプロセスにのみシグナルを送信（プロセスの親子は関係ない）
Ctrl+C : フォアグラウンドのジョブの全プロセスに対してSIGINTを送信
